美味しくて健康によい食事は、実は環境問題の解決につながる
私達の生活での日々の食事。私達の健康を考える上で、欠かせない要素です。
しかし、サステナブルな食事というと、以下の理由からハードルが高そうなイメージがあるのではないでしょうか。
- 割高なオーガニック食材を使うから、食費が高くなりそう。
- そもそもサステナブルな食事って何?
- 野菜ばかりの食事だとすると、身体によって本当に健康なの?
しかし、少しの知識と心がけ次第で、日々の食事や間食を大きく変化できます!
それは、シンプルに、赤肉(牛など)加工赤肉(ベーコン、ハム)を控え、鶏肉・魚・乳製品、穀類・豆類・野菜・木の実・果物、油にオリーブオイルをメインの食材にするということです!
そして、人生100年時代を生きる私たちにとって、私達の一番の資本である「身体」を大切にし健康を維持することは、医療費の節約だけでなく、労働を通じた資産形成においても非常に重要です。
お勧めの食事法
ミネソタ大学 教授のデイビッド・ティルマン教授は、他分野の科学者と協力して膨大なデータを調べ上げ、健康にも環境にもよい食習慣を紹介しています。
- 地中海式食事法:全粒穀物、野菜、豆類、木の実、オリーブオイル、果物、魚を中心に食べ、赤肉(牛、豚ぶた、羊、馬、ヤギ等)をあまり食べない食事
- 日本の伝統的な食事:魚、野菜、玄米、味噌などの発酵食品を中心とした和食
- インドの伝統的なベジタリアン食:豆のカレー、全粒粉を使ったチャパティやロティ
ティルマン教授らによる分析によれば、赤肉や加工赤肉(ベーコン、ハムなど)は環境にも健康にも悪く、穀類、豆類、野菜、木の実、果物などは健康にも環境にもよいとわかりました(下図参照)。
環境に悪い食材とは
なぜ、お肉や乳製品は環境負荷が高いと評価されたのでしょうか。
実は、お肉や乳製品の工業型畜産は、様々な環境負荷を与えています。
欧州連合(EU)の共同研究センターより、世界中で人為的に排出される温室効果ガスの3分の1は、「食」に関係しているとの論文が発表されました。
生産のために、土地開墾や森林伐採、肥料の使用、家畜、さらに食品廃棄物。このいずれもが要因となり、地球上の77億人の需要を満たすための食料システムから温室効果ガスが発生されています。
ティルマン教授によれば、赤肉を食べてはいけないと思ってはいないようです。赤肉は、特に子どもたちが成長するために大切な栄養を含んでいます。
ただ、私たちが赤肉を食べる量を減らし、別の食材に切り替えることで、環境・健康に大きなメリットがあります。
そして、赤肉に比べて安価な鶏肉・豆・野菜は、家計にも優しいため、長く続けられやすいのではないでしょうか。
まずは小さなアクション
ぜひ、日頃の食事を意識し、見つめ直してみてはいかがでしょうか。例えば、以下のような小さいアクションを起こしてみることが挙げられます。
- 日々の食事を一品、変えてみる
- チキンや豆類のレシピを学び、手料理を楽しむ
- ベジタリアン系のテイクアウト店やレストランを探して、味を楽しむ。
- 間食に、ドライフルーツやナッツを取り入れてみる。
参考:
・ブループラネット賞ものがたり、デイビッド・ティルマン教授:4. 食習慣・健康・環境の問題を一気に解決:https://www.blueplanetprize.org/projects/2020prof_tilman/prof_tilman_s4.html
・温室効果ガス発生源、3分の1は「食」に関係 EU研究:https://www.afpbb.com/articles/-/3336993
・グリーンピース、https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2021/07/05/52110/
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